ルーマニアの東北部には外壁をフレスコ画で埋め尽くしているいくつかの修道院があります。今から、450年ほど前に外壁に絵が描かれたもので、世界遺産にもなっています。ルーマニアは、夏は30℃、冬はマイナス10℃になりますが、外壁の聖人像はいまだに残っており、特にバックの青に関してはその美しさを保ち続ける強靭なフレスコと言えます。
このような方法をビザンチン法と呼びますが、このフレスコ画法を持つルーマニアの東北部の石灰下地には、石灰と、スサ、つまり、植物や動物の繊維、たとえば、藁スサ、麻スサなどが使われています。イタリアのフレスコの下地が、石灰と砂を使うのに対して、日本の漆喰壁と同じ材料を使います。ルーマニアはヨーロッパの最東端ですが、西洋と東洋の出会うところでもあるのです。
ルーマニアのフレスコは、代表の大野 彩がフレスコ研究のきっかけとなったものです。この画像はルーマニア観光局から写真提供許可を戴き使用しています。